【錆びてゆく夏】とあるアスペルガーの脳内

夏に感じることをつづった散文です。

こんばんは、はたのんです。このブログは、アスペルガー症候群はたのんママが、発達凸凹のある息子(自閉症スペクトラム)といっしょに成長する記録です。

画像提供:写真AC ぴぴふぉとさん


 【錆びてゆく夏】とあるアスペルガーの脳内 


このところ、若者が「エモい」と表現する種類の歌をじっくり聴く時間が多い。

エモいというのは、英語のエモーショナルに由来する、感情的で情緒的な揺さぶられる気持ちを表現する言葉である。 

もっとも「エモい」という言葉を生み出した人々は、とっくに使わなくなったのかもしれないが。

わたしの心にある夏の思い出は、少しずつ錆びてゆく。はじめは、どのような形であったのか、いまとなっては分からないほど、捏造されている。

わたしが中高生を過ごした あの頃は。

細かな記憶は、いっそう曖昧で、曖昧だからこそ、写真と写真を繋いだときにみえる景色は、おおよそ偽物で美しいのだ。

やがて、わたしには子どもが生まれた。たくさんの写真や動画をとった。

「忘れられない夏」ってやつだ。と思ったけれども、1年も経つと、すっかり忘れて、記憶は点と点になってしまった。

楽しい出来事も、悲しい出来事もあったけれど、どれもが平等に錆びていった。

そしてまた記憶は捏造され、あの頃は良かった、などと、いつか聞いた言葉にたどり着く。

今年も夏がやってくる。きっちりと錆びてゆく夏が。

ほな、また(・ω・) よしなにー。

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