【胎内記憶を話す二歳息子】妊婦教室で教えられた声かけを実行


  息子が生まれる前の妊婦教室にて


わたしが通っていた産婦人科では、妊娠中のお母さん、お父さんを集めて、妊婦教室がありました。そこでは出産に向けた心がまえのほかに、院長先生より胎内記憶について、興味深い話がありました。

「ほとんどの子どもが胎内記憶をもって生まれてくると、わたしは考えています。でも、言葉が話せるようにまるまでに、忘れてしまっているようです。おなかの中にいたときの出来事を話してほしいと思ったら、子どもが言葉を話すようになる、ずっと前から、『おなかのなかはどうだった?』と問いかけるようにしてください。質問されることによって、過去の出来事を振り返るようになるので、言葉を話すようになるまで、お母さんのおなかの中での思い出を忘れないで覚えていてくれます。」

胎内記憶というのは、ごく一部の限られた人だけに与えられるものなんのだと感じていたので、誰でも覚えているけど、やがて忘れるという考えに、興味を感じて、わたしも実行してみようと考えました。

ピンクの花で作られたハート

画像提供:カッパリーナさんによる写真ACからの写真


  息子0歳から、声かけを始める


院長先生の言葉を信じて、子どもへの声かけを始めました。「ママのおなかのなかはどうだった?」「外に出てくるとき苦しかった?」など。当然ながら、0歳息子からの反応はありません。毎日質問するということはなく、3ケ月に一度程度、季節が変わるころに質問しました。

0歳のときは、一方的に話しかけているという認識でした。が、1歳を過ぎて「ママ」「パパ」と話すようになり、こちらの話す言葉を理解し始めた時期あたりから、「おなかのなかはどうだった?」と質問したときに、少し考えるような顔をするようになりました。息子1歳が何か言葉を答えることはなかったのですが、質問されたことをきっかけに、胎内記憶を思い出そうとしているのかなあという印象を受けました。


  息子二歳、体内記憶を話し始める


2歳になった息子は、好きなおもちゃや、食べものの名前を話せるようになりました。2歳半を迎えるころには、言葉をどんどん繋げて、はたのんママやパパとお話ができるように。「おなかすいた」「おちゃのむ」など、自分が考えていることを話せるようになったのと同じころ、胎内記憶を話すようになりました。

2歳息子が話したのは「ままのおなか、くらいくらい(ママのおなかのなかは、ずっと夜だった)」「ままのこえした、ぱぱのこえない(ママの声は聞こえたけど、パパの声は聞こえなかった)」「おへそもどる(ママのおへそから、ママのおなかに戻る)」「ぎゅうにゅうぐんぐんのんだ(牛乳をたくさん飲んだ)」

「ままのおなか、くらいくらい(ママのおなかのなかは、ずっと夜だった)」は寝る前に話した言葉です。窓の外を見ながら、ママのおなかは暗かった。ずっと夜だったと主張しました。温泉のように、ちょうど良いあたたかさだったそうです。

「ままのこえした、ぱぱのこえない(ママの声は聞こえたけど、パパの声は聞こえなかった)」ママのおなかにいるあいだにママの声を聞いたと主張しました。パパは寡黙、大きな声で話すことがありませんし、息子が生まれる前におなかに話しかけるなどもしませんでした。だから、息子二歳が話した内容は、はたのんママの妊婦生活に思い当たるものでした。

「おへそもどる(ママのおへそから、ママのおなかに戻る)」ママのおなかにいるときは怒られなかった、好きなことができたと主張しています。ママに行動を制限されて不機嫌なときに話す言葉です。

「ぎゅうにゅうぐんぐんのんだ(牛乳をたくさん飲んだ)」ママのおなかの中では、たくさんの牛乳が飲めたと主張します。母乳のことをさしているのかなと、はたのんママは考えています。牛乳の飲み過ぎはダメと注意したときに話す言葉です。


  記憶は何度も思い出すことで定着する


何年も前の記憶って、大人でも忘れるよね。たまに「あの旅行おもしろかったね」「何が良かった?」と訊いてもらったら、忘れずに覚えているかも。ママのおなかのなかで起こった出来事も、たまに質問することで、思い出すきっかけになって、子どもの記憶に定着するのかもしれません。そして、おしゃべる上手になったころに、どんどん話し始めるのかも。

(・∀・) ママのおなか、どうだった? って、たまに聞いてあげてね。

息子二歳の口から、生まれる前の話を聞くと、はたのんママも幸せな気持ちになります。不安や期待を感じながら、生まれる日を待ち望んでいた時間や、自分より大切なものができた喜びを思い出して、わたしの人生にとって息子二歳がかけがえのない存在なのだと改めて気づかされます。

子育ては楽しいことばかりじゃありません。でも、苦しんだ分だけ、嬉しさも共有させてもらっているのだと感じます。息子二歳のことを悩んで苦しむ時間がなくなるのは、楽しさや喜びだって、共有できなくなるときです。うむうむ、明日も子育てがんばるぞ。