【生きづらいと思ったら】発達凸凹への理解や対応が学べる本

モンズースーさんの「生きづらいと思ったら 親子で発達障害でした」を読んで、印象に残った場面や、子どもの困った行動への対応で興味をもったアイデアについてのおはなしです。

アンティークな本と鍵

画像提供:アディさんによる写真ACからの写真


 発達凸凹をもつ子どもへの対応が学べる


「生きづらいと思ったら 親子で発達障害でした」は、モンズースーさんによるコミックエッセイです。図書館で“発達障害”と検索して、見つけた本。漫画になっているので、読みやすいと思って借りました。

モンズースーさんが経験した子どものトラブルや、対応がたくさんのっています。

たとえば、カンシャク。カンシャクが起こったときに、どうするのかではなくて、“予防”が大事。「次は○○するよ」と事前に伝えたり、実況しながら行動したりが良いよって。もしも、カンシャクが起こったときには、すぐに対応するのではなく、少し放置してから、抱きかかえるっていうのも参考になった。

ほかのことに集中して、話を聞いてくれないとき。子どもが好きなものと、子どもの目線にあいだに、自分を割り込ませて、注目させるっていうアイデア。ママを見ていなくても、繰り返し声をかけるのが大事だよって。聞いていないように見えて、聞いているので、忘れたころに効果があらわれるそうな。

子どもがよくない行動をしたとき。ダメと止めるのではなく、やっても良い行動を教えるってところ。「やめて」と伝えただけだは、目の前の面白いことから離れないので、ほかに楽しそうな行動を提案したり、その行動をとっても良い場所を教えたり、“次の行動”をイメージさせる声掛けが大事。

靴下がはけないとき。やりかたを教えるだけではなく、半分ぐらいは手伝ってあげる。

(・ω・) 発達相談のときにも言われた。6、7割手伝ってあげて、残りを本人にやらせてあげるんだって。子どもが自分で“完成”させることで、達成感を覚えて、自分でもやってみようって気持ちが生まれるって。

それから、市町村によって療育の様子が異なるって体験談や、病院での診断の様子、療育の流れなどが詳しくのっていて、参考になりました。

(・ω・) 気になってネット検索したけど、ブログはあまり出てこなかった。療育のイメージがわいた。


 発達外来医師の解説も読みごたえあり


亀田総合病院 小児科 発達外来担当の、市川茂樹医師の解説。短いけれども、読みごたえがあります。

(・ω・) 本のなかに出てくる印象的な場面の解説をしてあるんだよ

医師が、すべて、本人のペースに合わせてあげるようにアドバイスしたところ、ママが「それでいいの?」って疑問をもつシーン。なんでも子どもに合わせていたら、将来困るんじゃないの? って。

発達障害のある子どもは社会のルールの理解や、感情のコントロールが難しいから、カンシャクを起こす。正しいことを教えるという方法では、カンシャクが激しくなって、それをおさえるだけで精一杯。本来教えたいことを学ぶ機会がなくなってしまう。まずは、平和な日常を過ごすことが大事なんだよって。

ほかには、子どもが発達障害かもと悩んだ場合には、詳しい人に相談するのが良いよって。子どもに、どんな特徴があるのか知ったら、ママが何をしたら良いのか、自分にできることが見つかるから。動き始めるきっかけになるよって。


 発達凸凹当事者として、共感できた


作者であるモンズースーさんは、息子に発達障害があると指摘されたことをきっかけに、自分自身にも似たような特徴があることに気づきます。

(・ω・) 自分自身の経験や感覚を説明してくれているので、発達障害の特徴が分かりやすい。

自分は宇宙人かも、まわりの世界はハリボテかも、空気が読める眼鏡が欲しい、など、わたしも考えたこともある場面が多くあり、とっても共感できました。同じように考えている人がいるんだと驚きました。

見た目が普通だから「なまけている」など、人格を否定される。これは、発達凸凹がある人の多くが経験している出来事だと思います。その結果、不登校ひきこもりにつながったり、二次障害として、うつ病に苦しめられたり……

いま、困っているかどうかではなく、将来のことを考えて療育(支援)を受けるかどうか考えるのが大事なんだなと、改めて気づきました。


 【生きづらいと思ったら】発達凸凹への理解や対応が学べる本 


「生きづらいと思ったら 親子で発達障害でした」は、コミック本です。文字が多めで、ギュッと詰め込まれている感じがある。発達障害をもつ子どもへの対応について、自らの経験をふまえて説明してくれるのも分かりやすい。発達凸凹への理解が深まり、対応の仕方を学べる本です。お医者さんの話など、子どもに発達凸凹があると分かってから、どのような出来事が起こるのか、今後のイメージがわくのも良いと思った。

(・ω・) 次は「入園編」を読むつもり。図書館で借りてきた。読み終わったら、読書感想文を書くつもりだよ。

わたしは、大学時代に不登校ひきこもり支援に関わっていました。“発達障害”による生きづらさが原因の不登校ひきこもりは、非常に多いです。

わたしは、不登校訪問専門員とひきこもり支援相談士の資格をもっています。あわせて、自分自身もアスペルガー症候群(発達障害)の診断を受けており、ほかの人よりも発達障害について知っていることは多いと思います。

でも…… まだまだ知らない特徴、対応がたくさんあります。どのような病気にもいえることですが、発見障害についても、日々新しい視点が発見されています。わたしが10年前に勉強した知識から、一歩先の情報が欲しいと考えて、5年以内に出版された発達凸凹にまつわる本を、たくさん読むことにしました。

(・ω・) 正しい知識が大事。インターネットは手軽で便利だけれども、やっぱり本がもっとも正しい知識、情報を与えてくれると思う。

わたしが出産したとき、担当の助産師さんが言ってたの。「わたしは助産師で、たくさんの赤ちゃんに出会ってきたけども、自分が子どもを産んだ時には、なんにもうまくできなくて、不安になって、地域の保健師さんに、めちゃくちゃ電話した」って。

わたしは発達凸凹の当事者だけれども、発達凸凹のママは初めてで、分からないことだらけです。きっと、発達凸凹のことを何も知らなかったママと、同じところにいるんだと思う。坂の途中。

ほな、また(・ω・) よしなにー。