【不登校ひきこもりと心の停止】とあるアスペルガーの脳内

他者と関わると心が動く。心が動くとは、まさに「生きている」ということだ。息を吸って吐く。それだけでは欠けている。っておはなしです。

こんばんは、はたのんです。このブログは、アスペルガー症候群はたのんママが、発達凸凹のある息子(自閉症スペクトラム)といっしょに成長する記録です。

画像提供:写真AC  アディさん


 【不登校ひきこもりと心の停止】とあるアスペルガーの脳内 


わたしは高校時代に不登校ひきこもりを経験した。期間にすると約1年。

過去を振り返るとき、思い出す場面に自分がいるか。自分がいるなら思い出だし、自分がいなければ、まだ思い出ではないと聞いたことがある。自分の視線からみえる場面を思い出すときには、まだ解決していない現在進行系の悩みが含まれるそうだ。

そういう視点からみると、わたしの不登校ひきこもり時代は、わりと解決している。思い出のなかで、わたしがもがいている。だから、苦しんでいる自分は、もう終わったのだ。

さて、わたしが不登校ひきこもり状態にあった1年のあいだ、わたしの心は停止していた。停止していたというのは、一般的な動きをしていなかったという意味である。何も考えていなかったわけではないが、心の動きは鈍くなった。

不登校ひきこもり状態になると、他者と交流する機会は著しく減る。望めば、ゼロにすることもできる。

あの経験から気づいたのは、心は他者との交わりのなかでのみ生きる、ということだ。

悲しい、嬉しい、怒り、楽しいなど、心が動く出発地点は、他者にしか無いのだなと思った。自分だけで生み出すことはできなかった。

わたしが不登校ひきこもりになった1年のあいだ、心が停止していた。ひたすら自分の内側に心が向いていた。あの世界に他者は存在しなかった、といいたいが、そうではなかった。

不登校ひきこもり状態になると、他者との交流がなくなる。でも、心は動く。なぜか? それまでに経験した他者との交流が消えることは無いからだ。

日常のなかにいないはずの他者が、わたしの心を動かしていた。だから、不登校ひきこもり状態は苦しいし、まわりに理解されないのだと思う。

新たに心を動かすために、過去の負の出来事を消したい。しかし、それはどうやらできないらしい。ぜんぶまっしろにして、新しい心を作ることはできないのだ。

諦めるしかない。黒は白にならない。

そこからいろいろあって社会復帰したわたしの心は大きく動いた。痛みを伴いながら、好転したともいえる。

さいきん、ふたたび、心が止まるような感覚になる日が増えた。動きが鈍い。考えたところ、他者と積極的な交流をしていないことに気づく。

わたしは、ある程度 社会のなかに適応して暮らしているつもり。だがしかし、完全に定型発達の人たちと一致しているわけではない。

アスペルガー症候群(自閉傾向)を含む発達障害は、治ることがないといわれている。わたしは人との交流を好まない性質をもっているままだ。細胞たちが、無意識に人との交流を避けている。

自分のなかに住む巨大勢力(細胞)が望む行動をとると、どんどん他者を避けて、ひとりの世界を創ってしまう。そして、心が停止する。

心が停止すると悲しみや怒りが鈍くなる。喜びや楽しさも鈍くなる。無に近づくような。平和な世界に似ているが、同一ではない。

たぶん、わたしはいま、そこらへんに転がる石ころと一緒。人間が感知できない時間軸で生きている石ころと一緒だ。

わたしは石ころで良いのか?

いな。心が動くというのは、人間の原動力である。停止させてはいけない。

「心を燃やせ」
参考文献:吾峠呼世晴「鬼滅の刃」煉獄杏寿郎の言葉

2021年に放送されたアニメの名セリフを思い出す。

生きているかぎり、心が完全に停止することは無いのかもしれない。でも、ときには心が鈍くなる日がある。心が鈍くなると、無に近づく。喜びや楽しさを感じる機会を逃してしまう。なんと悲しいことか。

人との関わりを、わたしは好まない。しかし、心は他者との交わりのなかでのみ生きるものだと考えている。だから、たまには他人と積極的に話したいと思う。

他者と関わると心が動く。心が動くとは、まさに「生きている」ということだ。息を吸って吐く。それだけでは欠けている。

そう感じるようになったわたしの心は、またひとつ成長したのかもしれない。

昔は、どうやったら人と関わらないで生きられるかばかり考えていた。しかし、さいきんはどうやって人と関わろうかと考える日もある。

昔は「人と関わらねばならない」と考えていた。いまは「ひとりでも良いのだ」を基本に構えている。「ひとりでも良い」が馴染んだら、後ろからひょっこりと周囲を覗く自分が現れた。

心が動く、まさにいま、わたしが生きている。

ほな、また(・ω・) よしなにー。

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