【遺伝と環境どちらの影響が大きいか】アスペルガーの当事者研究

アスペルガー症候群(発達障害)当事者が考える、遺伝と環境の影響について。環境の影響が大きいと考えたほうが希望がもてる、っておはなしです。

こんばんは、はたのんです。このブログは、アスペルガー症候群はたのんママが、発達凸凹のある息子(自閉症スペクトラム)といっしょに成長する記録です。

画像提供:写真AC rumoさん


 当事者研究とは  


「当事者研究」とは、アスペルガー症候群(発達障害)などの特性をもつ人が、医師や心理ではない、当事者としての経験から、考えをまとめることです。

きょうのテーマは「アスペルガー(発達障害)にとって、遺伝と環境どちらの影響が大きいか?」について。


 アスペルガー(発達障害)にとって、遺伝と環境どちらの影響が大きいか? 


アスペルガー症候群など発達障害の特性をもつ友人のあいだで、「遺伝」と「環境」と、どちらの影響を大きく受けていると思うか、話題になることが、よくある。

アスペルガー当事者であるわたしが「発達障害にとって、遺伝と環境どちらの影響が大きいか?」について考える。

わたしは、発達障害にとって大きな影響を受ける要素は「環境」だと感じている。種の部分である「遺伝」の影響を受けるのは当然だが、より大きな影響を受けるのは「環境」だと考えている。

わたしの家族の場合、母は普通の感覚をもっていたが、父と祖父母(父方の祖父母)はアスペルガー症候群の傾向があり、振り返ってみると価値観の偏りがあった。

ともに暮らす大人、4人のうち3人が偏った価値観をもっている。つまり、我が家の常識は偏っていたのだ。偏った価値観のなかで暮らしているのだから、当然、その環境で育った子どもの価値観も偏って育つ。

わたしはアスペルガー症候群の「遺伝」をもって、特性の強い価値観が満ちている「環境」で暮らしていた。だから、わたしはアスペルガー症候群(発達障害)の特性が強い状態で大人になったのだと思う。

一般的な感覚で接することのできる家族、もしくは家族ではない複数の大人との関わりが日常的にあれば、何か変わったのかもしれない。

発達凸凹4歳息子が通っている「療育」というのは、つまり、そういう働きのある場所なのだろうなと考えている。

ちなみに、大学になって一人暮らしをはじめたわたしは、大学生活やアルバイト、社会人としての経験、結婚生活を通じて、自分の常識、ひいては家族の常識が、どうやら世間の常識とは異なると気づいた。

(違うぞ?) と、気づいたら、行動や価値観も多少は変わる。アスペルガーの特性は、薄くなったように感じる。いまは、それなりに社会へ適応して暮らしている、つもり。

社会そのものが、ゆるやかな療育的機能をもっているのだと思う。わたしの経験によると。

きょうのまとめ。当事者による「アスペルガー(発達障害)にとって、遺伝と環境どちらの影響が大きいか?」についての研究の結果。

「大きな影響を受けるのは環境。自分に近い人間が一般的な価値観をもっている場合、適正な判断を真似るようになり、やがて状況を記憶して、自分の判断で適正な行動をできるようになるから」で完結。

補足。「遺伝」は生まれてから変化させることができないので、状況を変化させたければ「環境」を変えるしかない。環境の影響が大きいと考えたほうが、未来に希望がもてる。と思う。希望も含めて「環境の影響が大きい」と結論づける。

余談ですが。数年前に参加した、とある幼稚園の入園案内で「環境は遺伝を超える」と園長先生が話していました。わたしが子育てをするなかで、印象に残った言葉のひとつです。

アスペルガー症候群(発達障害)であっても、そうではなくても、人間にとって「環境」は非常に大事なものだと思います。子どもだけじゃない、大人だって同じに違いない。

しかしながら、どのような環境が良いのか、については「人による」と思うので、整えることが難しいように感じます。「幸せとは何か」のように、答えのない問題であるといえるかもしれません。

ほな、また(・ω・) よしなにー。

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