アスペルガー当事者が考えるアニメを好きな理由や、社会に溶け込む方法、本音と建前についての考え方についてのおはなしです。
こんばんは、はたのんです。このブログは、アスペルガー症候群はたのんママが、発達凸凹のある息子(自閉症スペクトラム)といっしょに成長する記録です。
画像提供:写真AC CrioStudioさん
当事者研究とは
「当事者研究」とは、アスペルガー症候群(発達障害)などの特性をもつ人が、医師や心理ではない、当事者としての経験から、考えをまとめることです。
【アニメが好きな理由、本音と建前】アスペルガー当事者研究
わたしはアニメや小説、漫画が好きである。自閉傾向のある当事者仲間には、わたしと同じくアニメや小説、漫画が好きな人が多い。
その理由について、当事者研究をしてみようと思う。
わたしがドラマよりも、アニメを好きな理由は「空気を読まなくて良い」からだと思う。
ドラマや映画というのは、登場人物の表情から心情を想像させるところがある。
一方、アニメは、登場人物の心情を”心の声”で表現してくれるものが多い。なるほど、こういう気持ちになったから、次にこういう行動をとったのだなという展開が分かりやすいのだ。
ドラマや映画は「分かるよね?」という暗黙の了解で物語が進み、自閉傾向のある自分にとっては(なぜ、こうなった?)と疑問を浮かべる展開が繰り広げられるものが多い。
録画して何度も見ると、ここでこの人が複雑な表情をしているな、とか、考え込んでいるな、とか、心情に変化があったことに気づくけれども、初回で気づくのはなかなか難しい。
(・ω・) 発言の意味を考えていると、映像がおろそかに。
たとえば、小説。小説の場合も同じく「空気を読まなくて良い」から、好き。
大事なことはすべて文章に書いてくれてある。この表現が何を表しているのか、目の前にある文章だけを考察したら良いのだから。
言葉は辞書のなかの説明にはない、いろいろな意味を含んでいることがあるけれども、小説のなかにある言葉は、辞書に忠実な意味のみを含んでいることが多いので、自閉傾向のあるわたしには理解しやすいものだ。
最近のドラマや映画は、漫画や小説が原作になっているものもあり、そういうものは”心の声”があったり、心情を表す動作が大きいので、展開を理解しやすい。
(・ω・) 友人や恋人と映画に出かけるときは、漫画や小説が原作になっているものを選ぶのがオススメだよ
また、アニメや漫画というのは、おおよそフィクションなので、自分が過去に体験した嫌な出来事とリンクしにくいという点も、わたしが好きな理由のひとつである。
アニメや漫画というと娯楽のイメージではあるが、自閉傾向のあるものにとっては社会勉強にもなると思う。
口で言うことと思っていることが違うんだなあ(本音と建前がある)、とか、友達ができるかどうかは性格と関係無いんだなあ、とか、こういう人にはこうやって対応すればうまくいくんだなあ、とか、人間同士はこうやって仲良くなるんだなあ、とか、人間関係についての考え方を学ぶ良い見本である。
アニメや漫画に出てくる登場人物のなかで、自分が好いている人を見つけて、(あの人だったら、こういうときにどういう言動をするだろうか?)と想像しながら行動すると、人当たりの良い人間に近づくような気がする。
わたしのように自閉傾向があると、自然にまわりの様子から成長するのが難しいと言われている。
だから、自分が好いているキャラクターを見つけて、真似すると良い。日常的に真似していると、だんだんと無意識でも似た行動ができるようになり、社会に溶け込める気がする。
そんな感じで、わたしは暮らしている。人当たりが良いと言われることが多いので、ぼちぼち溶け込めているはずだ。
特別に好かれることも、特別に嫌われることもなく、関わる必要がなくなる日まで過ごせたらと思う。
本音と建前があって良いのよ。心のなかで何を考えていたとしても。
アスペルガーにとって、アニメは、先生が学校で教えてくれない社会のルールを教えてくれる、とても良い見本。
ほな、また(・ω・) よしなにー。