発達障害の人は相手の気持ちを考えない、思いやりがないと言われるけれども、それは誤解だ。価値観がまわりの人と違うだけなんだよ、っておはなしです。
こんばんは、はたのんです。このブログは、不登校訪問専門員とひきこもり支援相談士の資格をもつ、アスペルガー症候群当事者はたのんママが、発達凸凹のある息子といっしょに成長する記録です。
画像提供:写真AC ryomaypapaさん
(・ω・) チューリップの花言葉は「思いやり」
発達障害のある子どもは、人の気持ちを考えない
発達障害について、どんな症状があるか調べると、「相手の気持ちを考えない」という言葉が、よく出てきます。
アスペルガー症候群(発達障害)の当事者である、はたのんママからすると、それは少し違うと思います。
わたしは「相手の気持ちを考えない」のではなく、「相手の気持ちを考えて行動しているつもりだけれども、自分のもっている価値観が一般の人とは異なるから、相手が望まない行動をしてしまう」のです。
自分がされて嬉しいことをしているが
わたしはこどもの頃、母から、よく言われました。「相手の気持ちを考えなさい」 わたしは、まず、その言葉の意味を理解することができませんでした。人の気持ちなんて、分かるはずがないのに、どうやって考えるんだろう?
数年後、母は言い方を変えました。「自分がされて嬉しいことをしなさい」と。
(・ω・) それなら、できる!
「相手の気持ちを考えなさい」よりも、明確な指示が含まれる「自分がされて嬉しいことをしなさい」は、何を意味しているのか、よくわかりました。
だから、「自分がされて嬉しいこと」をしました。でも、「相手の気持ちを考えなさい」問題は解決しませんでした。わからん。
そもそも、お母さんだって、わたしがされて嬉しいことをしてくれない。なぜ、わたしだけが「相手の気持ちを考えなさい」「わがまま」と言われてしまうのか。
大人になって、アスペルガー症候群(発達障害)の特徴を知ったときに、やっと気づきました。
わたしは「相手の気持ちを考えなかった」のではなく、「相手の気持ちを考えて行動しているつもりだけれども、自分のもっている価値観が一般の人とは異なるから、相手が望まない行動をしてしまっていた」のです。
わたしがされて嬉しいことと、相手がされて嬉しいこと。この価値観が一致していないので、相手は嫌な気持ちになってしまうらしい。
発達凸凹のある息子3歳がみせた思いやり
さいきん、息子3歳は自分がされて嬉しいことを、ママやパパにしてくれるようになりました。きょうは、りんごの美味しいところ(蜜があるところ)を分けてくれた。「おいしいものは、みんなで、わけわけしないとねー」と。
発達障害のある子どもは思いやりが無いと言われるけれども、それは誤解だと思う。
自分がされて嬉しいことを、相手にもしてあげたい。喜んでほしい。そういう気持ちは持っている。ただし「自分がされて嬉しいこと」の感覚が、多くの人と異なるのだ。
だから「相手の気持ちを考えなさい」「自分がされて嬉しいことをしてあげなさい」ではなく、もっと具体的な行動を教えてあげる必要があると感じます。
発達障害の子どもがもつ「自然な状況で覚えるのが難しい」って特徴が、相手の気持ちを考えない、思いやりがないと誤解される原因なんだと思う。
発達障害のある子どもに「思いやりがない」のではない。相手が喜ぶことをしてあげたい、その気持ちがあるけれども、何をしたら良いのか自然に学習できないのだ。
だから、されて嬉しいこと、もっとしてほしいことは、はっきり言葉にして、声を大にして伝えるべきだ。
(・ω・) 「美味しいものは、みんなで、わけわけしないとね」 我が家の定番フレーズに従い、息子3歳はママとパパに美味しいものを分けてくれる。
3歳息子は、家族など、相手が何をしたら嬉しいのか分かる関係であれば、相手が喜ぶ行動をすることができる。つまり、思いやりの心はあるのだ。
余談。アスペルガー同士では、以心伝心
余談ではあるが、わたしの場合、自分と同じくアスペルガー症候群(発達障害)の人々からは「めちゃくちゃ気が利く」と言われ、重宝される。
(・ω・) 以心伝心。過ごしやすい。
アスペルガー症候群など、発達障害には、個人ごとに様々な特徴があると言われているけれども、基本的な価値観、考えかたの偏りは、だいたい似ているんだなあと感じた出来事です。
同時に、一般的な人同士は、こういうコミュニケーションが自然にとれるんだなと羨ましくなった。わたしの感じているコミュニケーションの不自由さは、個性ではなく、病気なのだと、改めて認識した出来事でもある。
ほな、また。よしなにー。