【おばけえび飼育観察8】乾燥卵の秘密はトレハロース

生きた化石と呼ばれる“おばけえび”が恐竜が滅びてからも生き続けた理由や、乾燥タマゴを守るトレハロースの秘密、出身地であるしょっぱい湖についてのおはなしです。

恐竜のフィギュアと岩

画像提供:NakiNeko23さんによる写真ACからの写真


 生きた化石おばけえびは、恐竜とともに生きていた 


「生きた化石」と呼ばれる、おばけえび。実は、むかしむかし、恐竜が生きていた時代から、ほとんど姿を変えていません。

(・ω・) 約8500年のあいだ、ずーっと生きているの。

恐竜たちが死んでしまったのに、わずか1センチ、こんなに小さなおばけえびが生きのびた理由は何でしょうか。

その理由のひとつは「休眠卵(きゅうみんらん)」を生むことだと考えられています。休眠卵というのは、活動を止めているタマゴのことだよ。湖の水がなくなって、大人のおばけえびが死んでしまっても、休眠卵は、ずっと生きのびることができるのです。

ふたたび雨がふって、湖に水がもどってきたときに、休眠卵は水を吸って、目を覚まします。ここだったら自分が暮らしていけるぞ。って環境ができるまで、タマゴのなかで、じーっと待っているのです。


 おばけえびの乾燥タマゴを守る秘密は「トレハロース」 


おばけえびの卵には、「トレハロース」と呼ばれる物質が含まれています。トレハロースは食品にも使われるもので、水分を保つ働きをします。

乾燥しているように見えるタマゴですが、なかにいる子どもたちが死んでしまわないように、少しだけ水分をたくわえています。

(・ω・) タマゴは水がない状態でも、20年以上いきているんだって。


 おばけえびが住んでいるのはしょっぱい塩水の湖 


おばけえびは、「魚のエサ」として利用されています。海水で育つ生き物だし、海に住んでいるんだな。と考える人が多いのではないでしょうか。

(・ω・) 実は、海には住んでいないんだよ

おばけえびの仲間は、アメリカやフランス、中国などにある、しょっぱい湖に住んでいます。海よりも塩が濃いので、おばけえびを食べる魚がすめない環境。敵がいないので、おばけえびがのんびり暮らしています。

(・ω・) 「学研おばけえびすいすい水族館」のタマゴは、アメリカのユタ州にあるグレートソルト湖に住んでいるんだって。

おばけえびの出身地であるグレートソルト湖は、水の温度や、塩分の濃度が、1年で大きく変化する。寒い冬になると、大人おばけえびは死んでしまう。きびしい環境のなか、乾燥した卵のなかにいる子どもたちは、あたたかい春を待っているんだよ。

参考文献:「学研おばけえびすいすい水族館」ガイドブック

(・ω・) もうすぐ、おばけえび水槽のお引越しをするよ。ぜひ読みに来てね。

ほな、また。よしなにー。