【早期発見・早期療育のデメリット】発達凸凹5歳年長

早期発見・早期療育は大切だと思うけれども、兄弟を得る機会を失うという大きなデメリットがあると思う、っておはなしです。

こんばんは、はたのんです。このブログは、アスペルガー症候群はたのんママが、発達凸凹のある息子(自閉症スペクトラム)といっしょに成長する記録です。

画像提供:写真AC aya53さん


 【早期発見・早期療育のデメリット】兄弟、発達凸凹5歳年長 


発達凸凹のある子どもを早期に見つけて、早期療育を始めたら、状態がよくなる。そのように書いてある書籍が多い。しかし、わたしは早期発見・早期療育には大きなデメリットがあると感じている。

わたしが考える最大のデメリットは、兄弟を得る機会が失われることだ。

我が家は夫が忙しく実家も遠いので、子どもが幼稚園に入ったら2人目を産もうと相談していた。ところが、3歳半ばに息子に発達の遅れがあることを指摘され、あっというまに2年が過ぎた。

幼稚園に入ると、子育てはずいぶん楽になると聞いたが、実際そんなことはなく、登園拒否など、社会参加の難しさに悩まされている。それが落ち着くと、今度は就学相談。状況が落ち着く兆しはみえない。

昨年、年中時代に参加した集団療育では、同じような悩みを耳にする機会が多かった。

下の子がいるお母さんに、「実際に産んだら、どうにかなるものですか?」と質問したところ、「うーん」と悩んだのち、「下の子を生む前に、上の子の問題に気づいていたら、産まなかったと思う」との返事が会った。

まさにそうだ。わたしだって、もしも息子の問題に気づいていなかったら、2人目を産んでいたと思う。もう気づいてしまった。いまからでは産めないのだ。

先生は「中学生ぐらいになると、だいぶ落ち着く子が多いので、それからもありですね」と言った。現実的にどうだろう。12歳も離れていたら、兄弟として遊ぶのは難しいだろう。母親も年をとる。10年後では、もう産めない、との意見もあった。

「兄弟がいると、コミュニケーションが上手になるよ」なんて、簡単にいうけれども、現実味のない世界線である。

もしも、あと1年、あと2年、息子の問題に気づくのが遅ければ、我が家には2人目の子どもがいたかもしれない。そろそろ2人目の子どもが話し始めて、2人で仲良く遊ぶ風景があったかも。なんて想像もしてしまう。

早期発見・早期療育は大切だと思うけれども、兄弟を得る機会を失うという大きなデメリットがある。

いつ気づくか。というのは、お母さん自身が選べるものではない。いつ気づくか、ではなく、いつ気づかせるか、である。実際、親が自分で気づくことはめったにない。集団療育では幼稚園や保育園の先生から指摘されて驚いたというお母さんが多かった。

たとえば、発達に心配があると判断された場合に、小学生になるまで親に報告しない。でも、幼稚園のなかに特別な支援をする先生を準備してサポートするなど、そういう方法があっても良いのかなと考える。

不安があると判断された子どものなかには、成長するうちに社会に馴染む子どももいるだろう。親が気づかないうちに療育が終わる。そういうパターンがあっても良いのではないかと思う。

アスペルガー症候群であるわたしには、自閉傾向あるいはADHD傾向のある大人の知り合いがたくさんいる。大学へ進学し、就職もし、結婚して、多くの人が想像する「普通の暮らし」をしている。小さい頃に気づかれて、療育など積極的な支援を受けた世代ではない。

だからこそ、早期発見・早期療育のメリットよりも、兄弟を得る機会を失うというデメリットのほうが、より大きな後悔をうむのではないかと感じる日もある。

5歳年長の息子が、幼稚園で小さな弟や妹を羨ましそうにながめて、「いいなあ」と口にする。心が痛む。

でも、これで良かったと思う。早期発見・早期療育のおかげで、息子の問題行動が減り、情緒が落ち着き始めた。兄弟が欲しかったと悩める心の余裕ができるほど、息子は成長したのだ。良いことじゃない。

選ばなかった未来を後悔するのは仕方ない。どちらを選んでも、選ばなかった未来を後悔したはずだ。こういう人生もあり。

ほな、また(・ω・) よしなにー。

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