【わたしが奇声をあげていた理由】アスペルガーの当事者研究

アスペルガー症候群(発達障害)当事者が、わたしが奇声をあげて叫んでいた理由を考えた、っておはなしです。

こんばんは、はたのんです。このブログは、不登校訪問専門員とひきこもり支援相談士の資格をもつ、アスペルガー症候群当事者はたのんママが、発達凸凹のある息子といっしょに成長する記録です。

なかよしの2匹のアゲハ蝶

画像提供:写真AC あけみんさん


 当事者研究とは 


「当事者研究」とは、アスペルガー症候群(発達障害)などの特性をもつ人が、医師や心理ではない、当事者としての経験から、考えをまとめることです。

きょうのテーマは「わたしが奇声をあげていた理由」について。


 【わたしが奇声をあげていた理由】アスペルガーの当事者研究 


発達障害の子どものなかには、奇声をあげる問題行動が起こる場合がある。わたしも、そのひとりであった。

わたしの場合、奇声をあげるようになったのは、幼児期ではなかった。不登校ひきこもりになった、高校時代の話だ。

発達障害の子どものなかには、まわりの子どもを叩くとか、不満を外に出す子どもと、我慢し続けて、自分に攻撃をした結果、不登校ひきこもり状態になる子どもがいるといわれている。不登校ひきこもりになるタイプの子どもは、問題行動を起こさない、良い子であることが多い。

わたしは、いわゆる良い子タイプのアスペルガー症候群(発達障害)である。親の思うとおりの行動をしようと頑張っていた。まわりの子どもを叩くことも無い。変わり者ではあったけれども。

だから、不登校ひきこもり状態になったとき、それまでの不満が爆発した。

幼少期から、わたしは変わった意見をいう子どもだったので、否定されることが多かった。わたしは弁が立つほうではなかったし、そもそも反論しないので、結局、我慢することになるのだ。家庭内でも、そうだし、学校でも、そう。わたしの意見は空気と一緒。誰にも聞いてもらえない。否定されるのが日常の風景。

そもそも、わたしは、人とコミュニケーションをとることに興味をもっていなかった。それが、1番の問題だったと思う。自分の意思を伝える言動を、わたしはほとんどしていなかった。物や人に対して、好きとか、嫌いとか、そういう気持ちを人に伝える言動をしていなかったのだ。

だから、わたしの家族は、わたしが好きな食べ物や、好きな色を知らなかった。大人になってから、気づいた。母が、わたしの好きな食べ物を知らないことを。驚いた。好き嫌いはもちろんあったけれども、自分のなかで完結していたので、家族に言うこともなかった。でも、知っていると思ってた。

(・ω・) わざわざ言わなくても伝わると思ってた。

言葉を使わないと意思疎通できないことに気づいていなかったのかもしれない。そういう常識、言わなくても分かると思われていることを、わたしは自然に理解することができていなかった。いま、3歳息子が言われているような、概念の理解に、歪みがあったのだと思う。

当然、当時は気づいていなかったけれども、わたしはまわりとコミュニケーションがとれないことによって、いつも違和感を抱きながら生きていた。だから、ストレスが非常に強かった。

誰でも、ストレスを感じる日があると思うのだけれども、わたしが子どものころに感じていたストレスは、異常なものだったと言わざるを得ない。大人のわたしが感じる最大ストレスの何十倍も強いものだった。

だから、奇声をあげて、叫んでいた。どの言葉を使っても、自分の気持ちがまわりに伝わることは無いと思っていたから、わざわざ言葉を選ぶのが無意味だと思った。だから、自分がもっとも叫びやすい音を選んで叫び続けた。毎日叫んでいた。

わたしには、知能の遅れがない。言葉の遅れもない。でも、まわりに自分の意思を伝えることができていなかった。変わった考えかたをするわたしは、いつも否定された。家族にも、先生にも。

だから、奇声をあげて、叫んだ。

実際には、家族も、先生も、否定ばかりしていたのでは無いと思う。たぶん。一般的な感覚に基づいて、話していただけ。そして、わたしには一般的な感覚が無い、脳の感覚に歪みがあったから、否定されたと感じていたのだと思う。そもそも、わたしの意見というのは、自分が頭のなかで考えていただけで、言葉にして伝えていなかったのだから、まわりの人に分かるはずもない。

アスペルガー症候群(発達障害)であるわたしが【奇声をあげていた理由】は、「自分の気持ちは言葉にしないと伝わらないなど、普通は気づくであろうコミュニケーションのルールを自然に学べなかったから」で完結。

余談ですが、不登校ひきこもり状態から社会復帰して、大学になるころには、奇声をあげて、叫ぶことはなくなりました。本を読んで、コミュニケーションのルールを学び、言葉で自分の意見を伝えるようになったからだと思う。コミュニケーション能力の向上とともに、奇声をあげて、叫ぶことはなくなった。叫ばなくても、自分の意思を伝える方法があると学んだから。

(・ω・) 言葉の遅れがない、知能の遅れがない。それだけでは、コミュニケーションがとれないってことなのよ。

ほな。また。よしなにー。

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