瀬尾まいこ「夜明けのすべて」を読んで、わたしが知らない人が発した、わたしと似た状況にある人に対してのネガティブな意見に落ち込んでいるのって、本当に愚かだなあと気づいた、という話です。
こんばんは、はたのんです。このブログは、アスペルガー症候群はたのんママが、発達凸凹のある息子(自閉症スペクトラム)といっしょに成長する記録です。

画像提供:写真AC HIRO797さん
【簡単に手に入る情報は世間の声ではない】読書感想文、瀬尾まいこ「夜明けのすべて」
きょうは、瀬尾まいこさん「夜明けのすべて」の読書感想文です。
瀬尾まいこさんは映画化もされた「そして、バトンは渡された」や「幸福な食卓」の作者です。「夜明けのすべて」も、2024年2月に松村北斗と上白石萌音のW主演で映画化されています。
さて「夜明けのすべて」について。
このおはなしは、PMS(月経前症候群)により月に一度、怒りが爆発する藤沢(上白石萌音)と、ある日突然パニック障害を抱え苦しんでいる山添(松村北斗)が、職場で出会い、助け合いながら過ごす日々を描いた作品です。
大きな事件が起こるわけではないのですけれども、静かな日常のなかで何かが少しずつ変化して、お互いが前進を始めるような物語です。
物語が進むにつれて、最初は心が硬直していた(ようにみえた)山添が、藤沢さんのおせっかいを受けて、だんだん穏やかな日常を送るようになります。
物語の終わりのほうに出てくる言葉が印象的で、わたしの心に響きました。
「簡単に手に入れられる情報なんて、声の大きい人のものがほとんどですよ。山添さんのことを知っている人が発している意見ではないでしょう?」
引用:瀬尾まいこ「夜明けのすべて」269ページ
落ち着いてきているから薬の量を減らそうと提案した医師に対して、薬を辞めるのは辛く、一度失敗したら苦労する、大変なのだ、というネットで読んだ話を口にしたときに、医師が山添に伝えた言葉です。
山添の、いまの状態を知っている医師と、山添の存在すら知らないネットのなかの誰か、そのどちらの意見を信じるの? という問い。
薬を減らしてパニック発作が増えたら……と不安を感じる、でも、いつ起こるか分からないものに怯えて、いままでと同じ行動しかしないのはもっと恐ろしいことかもしれないと考え始めるのです。
物語の始めだったら、山添はこのような考えをもつことも無かったのだろうなと思います。
変化しないのは恐ろしいことだ。これは、わたしのいまの状況にも刺さる意見だと思って読みました。
ネットの記事を読んで、まるで自分に言われているような気持ちになっているところも、そっくりです。
わたし、山添なんですよ。いま。
わたしが知らない人が発した、わたしと似た状況にある人に対してのネガティブな意見に落ち込んでいるのって、本当に愚かですよね。
そういうこと、いろんなサイトに書いてありますけれども、こうやって文章になっているものを読んだことで、そうだそうだと思って。いままでより深く、心に響きました。
わたしを知らない人に、なんで、わたしの人生を支配されているのだろうか。と思って。
みんな、みんな、と口にする人の言葉にある「みんな」というのは、実際には2〜3人だと思うんですよ。その人のまわりの2〜3人。日本人全体で考えると、米粒みたいなもんですよね。
そんな言葉に人生を支配されるなんて、愚かですよね。
それで、少しだけ、わたしの気持ちが明るくなりました。
瀬尾まいこさんの「夜明けのすべて」は、硬直した心に小さな希望を見せてくれるような、辛い日々のなかにも希望の種はある、ということを教えてくれる物語だと思います。
ほな、また(・ω・) よしなにー。





