【流浪の月】読書感想文、長文を読むことに慣れていない読者を置いていかない本

あらすじだけを読むとハッピーになるようには見えなかったのですけれども、この物語はハッピーエンドにみえる形で終わっていきます。読む人によって心に残る気持ちがけっこう違うのかなと思う本です。

こんばんは、はたのんです。このブログは、アスペルガー症候群はたのんママが、発達凸凹のある息子(自閉症スペクトラム)といっしょに成長する記録です。

画像提供:写真AC ヒロタカ05さん


 【流浪の月】読書感想文、長文を読むことに慣れていない読者を置いていかない本 


図書館のおすすめコーナーにあったので借りてきました。なんとなくタイトルを見たことがある気がして。

調べたところ、「流浪の月」は2020年に本屋大賞を受賞し、映画化もされています。

小説をパラパラと読んだところ、ミステリーなのかなと思いました。読んでいるうちに、その印象が恋愛小説かなに変わり、最後は心情の変化を表した本なんだとの感想に至りました。

前半と後半で同じような状況が起こっているのに、前半は不幸に思える状態になって、後半は幸福に思える状態になっています。

関わる大人の組み合わせやタイミングによって、子どもの人生が変わっていくのだというメッセージを、わたしは感じました。

親だけではなくて、いろいろな大人の関わりによって結果が変わってくるのだ、と。

子どもを育てる親の視点からポジティブに考えると、子どもの成長は親だけの要素で変わるわけじゃないから、そんなに責任を感じなくていいんだよ。という、応援メッセージだと思いました。

あらすじだけを読むとハッピーになるようには見えなかったのですけれども、この物語はハッピーエンドにみえる形で終わっていきます。展開が魅力的な作品です。

登場するお母さんたちが自由奔放で、周囲の人からは常識的ではない行動をする親であると思われているけれども、子どもたちはそれに対して不満があるわけではなく、うちのお母さんらしいな、と好ましく感じているところも、興味深かったです。

「流浪の月」は、読む人によって心に残る気持ちがけっこう違うのかなという印象があります。

わたしは子どもとの関わりについての部分が印象に残りましたが、恋愛小説として読む人もいるだろうし、障害受容の物語としての感想をもつ人もいるだろうし、いろいろな要素が詰まっていて、読み手によって何を軸に感じるかが変わるような気がします。

わたしは、同じく本屋大賞を受賞した作品「博士の愛した数式」を好んで読んでいるのですけれども、本屋大賞に選ばれた物語は読みやすいものが多いです。

「流浪の月」も読みやすい本でした。最初に読者を惹きつける導入部分があり、もう少し読んでみようかなと思わせてくれる流れになっています。

長文を読むことに慣れていない読者を置いていかない本、なんです。

わたしはわりと読書が好きです。でも、昔から読書が好きだったわけではなく、大学生ぐらいの時期に「博士の愛した数式」を読んでから、読書する習慣がついてきたような気がします。

長文を読むことに慣れていない人にとって本を選ぶときに大事なのは、内容の評価が高いだけではなくて、読みやすいというところも、とても大事だと思います。

よくわからない。よくわからないけど、もう一回読んでみるか。を繰り返していくと一回目とは違う部分に気づくようになってきて、そうなると読書が楽しくなるのですよ。

物語のメインストーリーではないけれども、ちょっとしたサブストーリーを攻略していく感じです。わたしだけが気づいているかもしれない、という優越感に浸りながら。

すごく脱線しました。「流浪の月」など、本屋大賞を受賞した作品は、長文を読むことに慣れていない読者を置いていかない本として、読書初心者におすすめです。

「流浪の月」は映画の評判も良いようです。見てみたいと思いました。

ほな、また(・ω・) よしなにー。

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